2019年2月23日土曜日

ニホンの富裕層は世界3位?

生活にゆとりがある富裕層への憧れを抱く人は多いと思います。では、日本にはどのくらいの富裕層が存在するのでしょうか。意外と知らない富裕層の定義や割合を紹介します。

富裕層の定義と割合は・・・野村総合研究所(NRI)が2018年12月に発表した「2017年の純金融資産保有額別世帯数と資産規模についての推計」では、以下のような階層でマス層から超富裕層までが定義されています。

超富裕層:世帯の純金融資産保有額が5億円以上
富裕層:世帯の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満
準富裕層:世帯の純金融資産保有額が5000万円以上1億円未満
アッパーマス層:世帯の純金融資産保有額が3000万円以上5000万円未満
マス層:世帯の純金融資産保有額が3000万円未満

NRIの推計によると、「富裕層」は118.3万世帯、「超富裕層」は8.4万世帯で、合計126.7万世帯。
これは日本の全世帯数の2%強にあたります。

なお、ここで言う金融資産とは預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険などが主な内容で、不動産は含まれていません。

では、世界の中で日本人の富裕層はどのような位置づけなのでしょうか。世界有数の金融機関であるクレディ・スイスが世界の富裕層の動向をまとめた「2018年 グローバル・ウェルス・レポート」(2018年10月)を見てみましょう。

すると、日本で100万米ドル(約1億1000万円)以上の資産を持つ「ミリオネア(富裕)層」は280万人。世界では米国と中国に次ぐ世界3位であると発表されています。こちらは世帯ではなく個人でのカウントです。

また、5000万米ドル(約55億円)以上の純資産を持つ「超富裕層」で見ると、日本は3850人で世界で5番目に多いと報告されています。

◎日本人の誰がお金を持っているのか?

日本人に富裕層が多いと言っても、給料がなかなか上がらない一般庶民にとっては実感が湧きにくいですよね。日本でお金を持っているのは、いったい誰なのでしょうか?

2018年に総務省(統計局)が発表した「家計調査報告[貯蓄・負債編]平成29年(2017年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」では、高齢者世帯(世帯主が60歳以上)の貯蓄の平均値を公開しています。

それによると、高齢者世帯の貯蓄現在高の平均値は2384万円、中央値は1639万円。そして、平均値以上である貯蓄現在高2500万円を超える世帯が34.1%となっており、資金をしっかり蓄えて老後を過ごしている世帯が多い印象を受けます。

さらに驚くのが、貯蓄現在高が4000万円を超える世帯が約17.6%と、高齢者世帯の約5世帯に1世帯は4000万円以上の貯蓄を保有しているのです。

一方で、貯蓄現在高300万円未満の世帯が13.4%存在しており、100万未満の世帯も6.7%となっています。このことから、高齢者世帯でもお金がある世帯とない世帯の格差がかなり大きいということがわかります。

なお、ここでいう「貯蓄」とは、ゆうちょ銀行や銀行及びその他の金融機関への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金、株式・債券・投資信託・金銭信託などの有価証券といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄が含まれます。

日本では高齢者の貯蓄額が多い傾向にありますが、高齢者世帯の中で貯蓄現在高が4000万円を超える世帯が約17.6%、一方で300万円未満の世帯も13.4%も存在するなど、高齢者世代にも格差が存在することがデータからは見てとれます。

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